「売上が伸び悩んでいるから、トップページだけ直そう」「商品ページを少し調整すれば改善できるかも」──そんなご相談をいただくことは少なくありません。
しかし、部分的な改修では根本的な課題解決にはつながらず、むしろ「小手先の対応」に終わってしまうことも多いのです。
本記事では、なぜ私が「部分改修」ではなく「リニューアル」をおすすめするのか、その理由を解説します。
成果を出すECサイトに必要なのは、点の改善ではなく“全体を見据えた再設計”です。
部分改修では解決できない課題とは
デザインだけでは売上は伸びない
ECサイトの売上は「訪問数 × コンバージョン率 × 客単価」で決まります。
たとえデザインを整えて見栄えを良くしても、導線が複雑だったり、スマホで見づらかったりすれば成果にはつながりません。
「見た目はきれいになったけど、数字は変わらない」──これは部分改修でよくある落とし穴です。
古いシステムやテーマがボトルネック
数年前に構築されたECサイトは、現在のShopify機能や最新アプリに対応していないケースも多くあります。
部分改修では「古い基盤」に新しい要素を無理やり乗せるため、思うような改善ができなかったり、不具合の原因になることも。
根本的に成果を出すには、最新の環境に乗り換える必要があります。
データが正しく取れない
売上改善のカギは「データ分析」です。
どのページで離脱しているのか、利益率はどうか、平均購入単価やリピート率はどうか。
部分改修だけでは、この数字を正確に取るための仕組みが整わないことが多く、結果的に改善サイクルを回せないまま終わってしまいます。
リニューアルだから実現できること
プロジェクト設計からやり直せる
リニューアルの大きなメリットは「ゼロベースで設計を見直せる」ことです。
単なるデザイン変更にとどまらず、
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流入動線(どこからお客様を呼び込むのか)
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ターゲット(どんなお客様を狙うのか)
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自社の強み(競合との差別化ポイントは何か)
これらを改めて整理・再定義できます。
部分改修では「現状の枠組みの中で直す」だけですが、リニューアルは戦略レベルから見直せるのが大きな違いです。
最新テーマ・機能をフル活用できる
Shopifyは進化が早く、テーマもアプリも日々アップデートされています。
リニューアルによって最新テーマをベースにすれば、スピード改善・SEO対策・管理画面の使いやすさといったメリットを一度に享受できます。
データ計測を正確に行える
リニューアルのタイミングでGoogleアナリティクスや広告タグを整理し直すことで、正確なデータ計測が可能になります。
利益率(売上から原価・広告費を差し引いた利益割合)やLTV(顧客生涯価値)を見ながら、広告費をどこまでかけられるか、どの施策を優先するかを判断できるようになります。
サイト全体で一貫したUXを作れる
部分改修では「直したページと古いページで雰囲気がバラバラ」ということが起こりがちです。
リニューアルなら、トップページから購入完了画面まで一貫したデザインと導線を設計でき、お客様にストレスのない購買体験を提供できます。
リニューアルで成果が出やすい理由
売上が伸び悩む「根本原因」を直せる
例えば「カート離脱が多い」「回遊率が低い」といった課題は、単なるボタン配置ではなく、構造そのものに問題があることが多いです。
リニューアルなら、課題の根本にメスを入れられるため、成果につながりやすくなります。
スマホ対応・速度改善でCVRアップ
現在のEC流入の大半はスマホです。
古いテーマのままでは表示速度やレスポンシブ対応に限界があり、CVR(購入率)を大きく落としてしまう要因になります。
リニューアルによって最新テーマに切り替えれば、これらの改善を一気に実現できます。
公開後の運用改善につなげやすい
リニューアルを前提にした設計は「公開後の運用改善」を見据えています。
数値を計測し、改善施策を回し、広告やリピーター施策を組み合わせて成果を伸ばしていく──。
部分改修ではできなかった“改善サイクル”が回しやすくなるのです。
まとめ ─ 投資対効果を最大化するには
部分改修は一見「コストが安い」ように見えます。
しかし、実際には手直しを繰り返すうちに費用がかさみ、成果も中途半端で終わることが少なくありません。
一方、リニューアルは初期投資は必要ですが、成果を出しやすく、長期的にコストを抑えられる選択です。
そして何より「公開してからが勝負」の運用改善をスムーズに行える基盤を整えられます。
👉 ECサイトの成果を本気で伸ばしたいと考えるなら、部分改修ではなくリニューアルを選ぶことをおすすめします。