こころんらぼ流ECサイトリニューアルの進め方 “商品の強み”と“誰に届けるか”から始める5ステップ

こころんらぼ流ECサイトリニューアルの進め方  “商品の強み”と“誰に届けるか”から始める5ステップ
今村 紅

この記事の著者・監修者

今村 紅(こころんらぼ代表)

ECサイト構築・運用支援を専門とする「こころんらぼ」代表。
Shopifyを活用したオンラインストアの新規立ち上げからリニューアル、公開後の運営サポートやマーケティング施策まで幅広く対応。
特に「成果を上げる導線設計」「ブランドの世界観を伝えるデザイン」「継続的に成果を伸ばす運用体制づくり」に強みを持つ。
食品・アパレル・雑貨・BtoB事業など、多様な業種のプロジェクトを手がけ、事業の成長を支援している。

はじめに

ECサイトのリニューアルを考えるとき、
「デザインを新しくしたい」「機能を増やしたい」
そんな要望からスタートするケースが多いのではないでしょうか。

けれども、見た目を変えるだけでは、売上や成果は変わりません。

こころんらぼでは、リニューアルを「サイトを作り直す作業」ではなく、
“商品の強みを見つけ、誰に届けるかを設計し直すプロセス”と捉えています。

つまり、リニューアルとは“見た目の更新”ではなく、事業そのものの再設計
数字やデザインはその結果として整っていくものです。

本記事では、そんな「こころんらぼ流」の考え方に基づいた
成果を生むECサイトリニューアルの進め方を、5つのステップで紹介します。


STEP1:商品の強みを見つける

リニューアルは、まず「商品の魅力を言語化すること」から始まります。
サイトのデザインや導線を考える前に、
「この商品は何が良いのか」「なぜ選ばれているのか」を明確にすることが、すべての軸になります。

たとえば:

  • 同じカテゴリでも、“素材”にこだわっているのか

  • “使い心地”を重視しているのか

  • “ギフト需要”に強いのか

強みの方向性によって、伝える順序も見せ方もまったく変わります。

リニューアルの起点はサイトではなく商品。
“商品の強み”を正しく掘り下げられた時、初めてサイト全体の軸が定まります。


STEP2:誰にアプローチするかを設計する

商品の強みが明確になったら、次は「誰に届けるか」を設計します。
リニューアルを成功させるためには、ターゲットを再定義することが不可欠です。

既存顧客だけでなく、これから狙う層も含めて整理していきます。

  • 既存顧客がどんな理由で購入しているか

  • SNSのフォロワーやLINE登録者はどんな層か

  • どの流入経路(検索/SNS/広告)が成果につながっているか

数字を見るのはこの段階です。
ここでの目的は「現状の課題を探すこと」ではなく、「どこに可能性があるか」を把握すること

たとえば、SNSでの反応が良いならビジュアル訴求を軸に。
リピーターが多いなら、購入導線をシンプルに整える。
数字は方向を決めるための道標です。

数字は“出発点を確認するため”に見る。
軸はあくまで、「誰に・どんな価値を届けたいか」。


STEP3:ゼロベースで構成を設計する

商品の強みとターゲットが定まったら、いよいよ構成設計に入ります。
ここでは、“既存サイトを直す”のではなく、“理想の構造を描き直す”ことを意識します。

トップページ・カテゴリ・商品ページ・カートまで、
それぞれのページが「どんな役割を果たすか」を整理しましょう。

  • トップページ:商品の魅力を伝え、入口を作る場所

  • カテゴリページ:比較・検討をしやすくする場所

  • 商品ページ:購入を後押しする場所

このように、ページの目的を明確にし、
「お客様が迷わず購入に進める構造」をゼロベースで設計します。

“前のサイトを直す”ではなく、“新しいサイトを描く”という発想が重要。


STEP4:必要最低限の機能でリリースする

構成が決まったら、制作に入ります。
ここで多くの企業が陥るのが「機能を詰め込みすぎること」です。

レビュー機能、ポイント制度、定期購入、クーポン、会員連携…。
もちろん便利な機能ですが、リニューアルの段階で全部入れる必要はありません。

むしろ、最初は“必要最小限の構成でリリースする”ことが成果への近道です。
運用を続ける中で、どの機能が本当に必要かが見えてくるからです。

完璧を目指すほど、リリースが遠のく。
スピードと検証こそが、成果への近道。

“完璧”を目指さず、“育てながら強くしていく”設計を。
リリースまでのスピードと、公開後の検証サイクルを優先しましょう。


STEP5:公開後に数字を見る

リリース後は、数字を見ながら仮説検証を行います。
ただし、ここで大切なのは「評価」ではなく「観察」。

  • どの商品ページがよく見られているか

  • どの導線で購入が多いか

  • どこで離脱が発生しているか

CVRや流入経路などの数字を見ながら、
“商品とターゲットの設計”が正しく機能しているかを確かめます。

もし想定していたユーザーが違う行動を取っていれば、
そのデータは次の改善のヒントになります。

数字は“評価”ではなく、“次の打ち手を見つけるためのツール”。
リニューアルはここからが本当のスタートです。


まとめ

  • 成果が出るリニューアルは、「サイトを直すこと」ではなく「商品の強みを再発見すること」から始まる。

  • その強みを「誰に届けるか」を設計し、数字で現状を確認する。

  • ゼロベースで構成を描き、必要最低限の機能でスピード公開。

  • 公開後に数字を見ながら、サイトを育てていく。

リニューアルとは“再構築”ではなく、“再発見と再設計”のプロセス。
商品の魅力を軸に、育てながら成果を伸ばしていく。
それが、こころんらぼが考える“成果を出すリニューアル”です。