農家直送の価値を伝えるサイトづくり。
予約販売で数十件の受注を実現した制作事例
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農産物ECが直面する課題
近年、農産物のオンライン販売は拡大していますが、課題も少なくありません。
特に以下のような壁があります。
- 中間流通による利益圧迫:市場や仲卸を通すと、生産者の取り分が限られる
- 消費者が求める安心感:顔が見えない取引では「本当に信頼できる商品か?」という不安が残る
- 差別化の難しさ:商品写真や価格だけでは他店との差を打ち出しにくい
こうした中で「生産者の想いを直接伝えるECサイト」が必要とされるようになっています。
南の果実園様からのご相談内容
今回ご依頼いただいた「南の果実園」様は、宮崎県でマンゴーを栽培されている農家様です。
課題は以下の通りでした。
- 農産物の販路拡大をしたい
- 高品質マンゴーの価値を正しく伝えたい
- 収穫時期に合わせて予約販売を安定的に行いたい
こうした要望を実現するため、Shopifyを使ったECサイト構築をご提案しました。
これは私にとって初めてのShopify構築案件でもあり、大きな挑戦となったプロジェクトです。
サイト制作での工夫ポイント
生産者の想いを伝えるストーリー設計
一般的なECサイトは商品写真が中心になりがちですが、本案件では「人」を前面に出すことに注力しました。
現地取材を行い、生産者の方々の写真やインタビューを掲載。
「どんな想いで栽培しているのか」をストーリーとして表現することで、訪問者が安心して購入できる仕組みを作りました。
品質ランクの可視化で価格への納得感を醸成
マンゴーには大きさ・糖度・外観などによるランクがあります。
それぞれを写真と説明文で丁寧に解説することで、価格差の根拠を明確化。
「高いけど納得できる」と感じてもらえるよう工夫しました。
オリジナル写真で訴求力を高める
サイト内で使用する写真の多くは、私自身が農園で撮影したものです。
現場での栽培風景や、生産者の自然な表情を収めることで、信頼性と親近感を同時に訴求。
結果として「画一的な通販サイト」ではなく、温かみのあるブランドサイトを実現できました。
技術的な取り組みと機能カスタマイズ
技術面では、Shopifyの基本テーマをベースに必要な機能を追加しました。
- 予約販売に対応する仕組みを実装
- 「お客様の声」ページを設置し、新規購入者の不安を解消
- 管理画面から在庫や販売状況を簡単に更新できるように設定
Shopifyを採用することで、短期間での構築と柔軟なカスタマイズを両立させることができました。
公開後の成果とお客様の声
マンゴーは7〜8月の2ヶ月間のみ収穫・販売されます。
しかし本サイト公開後は、毎年春先から数十件の予約注文をいただけるようになりました。
予約段階で売上が確定するため、収穫シーズンの販売計画も立てやすくなり、生産者様の収益安定に大きく貢献。
「中間コストを抑えた直販の仕組みが、生産者・消費者双方にメリットをもたらした」と高く評価いただいています。
今回の事例から学べること
- 農産物ECにおいては「ストーリー設計」が何より重要
- 単なる商品紹介ではなく「生産者の人となり」が安心感を生み、購買につながる
- 価格説明を明確にすることで、高単価商品でも納得して買ってもらえる
この事例は、成果につながるECサイトは「リニューアル=作って終わり」ではなく、公開後の運用改善が勝負であることを示しています。
まとめ ─ 成果につながるECサイトづくりとは
南の果実園様の事例から分かるように、ECサイトは単なる販売ツールではなく「信頼を形にするメディア」です。
生産者の想いや商品の価値を適切に伝えることが、売上につながる鍵となります。
中小企業や生産者の方々がECに挑戦する際も、 「誰に・何を・どう伝えるか」 を意識することで、大きな成果を出せる可能性があります。
追記
現在のサイトのファーストビューには、農家の長男様が撮影されたご家族写真を使用しています。
ご家族経営の温かみが伝わる素敵な写真で、サイト全体の魅力をさらに高めています。
そして何より──南の果実園様のマンゴーは本当に美味しい。
味の濃厚さ、香りの豊かさは格別で、心からおすすめできる商品です。