はじめに
ECサイトのリニューアルを考えるとき、
「デザインを新しくしたい」「機能を増やしたい」
そんな要望からスタートするケースが多いのではないでしょうか。
けれども、見た目を変えるだけでは、売上や成果は変わりません。
こころんらぼでは、リニューアルを「サイトを作り直す作業」ではなく、
“商品の強みを見つけ、誰に届けるかを設計し直すプロセス”と捉えています。
つまり、リニューアルとは“見た目の更新”ではなく、事業そのものの再設計。
数字やデザインはその結果として整っていくものです。
本記事では、そんな「こころんらぼ流」の考え方に基づいた
成果を生むECサイトリニューアルの進め方を、5つのステップで紹介します。
STEP1:商品の強みを見つける
リニューアルは、まず「商品の魅力を言語化すること」から始まります。
サイトのデザインや導線を考える前に、
「この商品は何が良いのか」「なぜ選ばれているのか」を明確にすることが、すべての軸になります。
たとえば:
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同じカテゴリでも、“素材”にこだわっているのか
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“使い心地”を重視しているのか
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“ギフト需要”に強いのか
強みの方向性によって、伝える順序も見せ方もまったく変わります。
リニューアルの起点はサイトではなく商品。
“商品の強み”を正しく掘り下げられた時、初めてサイト全体の軸が定まります。
STEP2:誰にアプローチするかを設計する
商品の強みが明確になったら、次は「誰に届けるか」を設計します。
リニューアルを成功させるためには、ターゲットを再定義することが不可欠です。
既存顧客だけでなく、これから狙う層も含めて整理していきます。
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既存顧客がどんな理由で購入しているか
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SNSのフォロワーやLINE登録者はどんな層か
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どの流入経路(検索/SNS/広告)が成果につながっているか
数字を見るのはこの段階です。
ここでの目的は「現状の課題を探すこと」ではなく、「どこに可能性があるか」を把握すること。
たとえば、SNSでの反応が良いならビジュアル訴求を軸に。
リピーターが多いなら、購入導線をシンプルに整える。
数字は方向を決めるための道標です。
数字は“出発点を確認するため”に見る。
軸はあくまで、「誰に・どんな価値を届けたいか」。
STEP3:ゼロベースで構成を設計する
商品の強みとターゲットが定まったら、いよいよ構成設計に入ります。
ここでは、“既存サイトを直す”のではなく、“理想の構造を描き直す”ことを意識します。
トップページ・カテゴリ・商品ページ・カートまで、
それぞれのページが「どんな役割を果たすか」を整理しましょう。
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トップページ:商品の魅力を伝え、入口を作る場所
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カテゴリページ:比較・検討をしやすくする場所
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商品ページ:購入を後押しする場所
このように、ページの目的を明確にし、
「お客様が迷わず購入に進める構造」をゼロベースで設計します。
“前のサイトを直す”ではなく、“新しいサイトを描く”という発想が重要。
STEP4:必要最低限の機能でリリースする
構成が決まったら、制作に入ります。
ここで多くの企業が陥るのが「機能を詰め込みすぎること」です。
レビュー機能、ポイント制度、定期購入、クーポン、会員連携…。
もちろん便利な機能ですが、リニューアルの段階で全部入れる必要はありません。
むしろ、最初は“必要最小限の構成でリリースする”ことが成果への近道です。
運用を続ける中で、どの機能が本当に必要かが見えてくるからです。
完璧を目指すほど、リリースが遠のく。
スピードと検証こそが、成果への近道。
“完璧”を目指さず、“育てながら強くしていく”設計を。
リリースまでのスピードと、公開後の検証サイクルを優先しましょう。
STEP5:公開後に数字を見る
リリース後は、数字を見ながら仮説検証を行います。
ただし、ここで大切なのは「評価」ではなく「観察」。
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どの商品ページがよく見られているか
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どの導線で購入が多いか
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どこで離脱が発生しているか
CVRや流入経路などの数字を見ながら、
“商品とターゲットの設計”が正しく機能しているかを確かめます。
もし想定していたユーザーが違う行動を取っていれば、
そのデータは次の改善のヒントになります。
数字は“評価”ではなく、“次の打ち手を見つけるためのツール”。
リニューアルはここからが本当のスタートです。
まとめ
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成果が出るリニューアルは、「サイトを直すこと」ではなく「商品の強みを再発見すること」から始まる。
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その強みを「誰に届けるか」を設計し、数字で現状を確認する。
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ゼロベースで構成を描き、必要最低限の機能でスピード公開。
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公開後に数字を見ながら、サイトを育てていく。
リニューアルとは“再構築”ではなく、“再発見と再設計”のプロセス。
商品の魅力を軸に、育てながら成果を伸ばしていく。
それが、こころんらぼが考える“成果を出すリニューアル”です。